萌えはいつ死んだか?

前々から、取り上げたいと思っていたテーマなのですが、やっと書く気になりました。でもこれ、できれば多くの方に考えてもらいたいテーマでもあります。筆者自身、考えがまとまっていないので、まとまりのない記事になっているのは勘弁してください。


2005年にユーキャン流行語大賞の10位にランクされて以来、今日未だメディアでは「萌え」という言葉がしばしば使われます。と同時に、2005年は電車男(フジテレビ)の年でもありました。この電車男の流行と萌えの流行はほぼ同時並行しているように考えられます。たぶんそれは、相乗効果が働いたのだと思いますが、萌え自体がメディアで取り上げ始められたのは2003〜4年辺りからでしょうか。その「萌え」が流行する前段階として、オタクの流行(これは流行と言うのかはわかりません)がありました。また、その中のカテゴリーとしてという意味なのでしょうが、アキバ系などの言葉もメディアで取り沙汰されています。
内藤朝雄さんは著書『「ニート」って言うな!』光文社新書の中で、メディアには先行ヒットがあると指摘しています。(「ニート」って言うな! 光文社新書p161)この構造に当てはめると、萌えの流行以前の先行ブームとして、オタク、アキバ系などがあった言えます。また、今日メディアでは萌えというテーマを扱う場合、必ずオタク、アキバ系などのキーワードを並べて語られるところもその裏付けと云えるかもしれません。ちょうど、ニートでいうひきこもりと同じと云えます。
萌えブームへの流れ

※流れ的には上記の様になると思われます。ただ、オタクとアキバ系が平行だという可能性も考えられます。

そのような、萌えが誤解されて用いられているとか、そういう細かな論争はここではあまり振れない事にします。ただ、明らかに萌えという言葉が濫発されている事は確かです。アニメなどの台詞の中でも、本来台詞的にも言う必要がないところにわざわざ萌えという単語が加えられている事がしばしばあります。流行とはいえ、無理して使っている感があるので気になるところではあります。
ではなぜ、萌えブームが起こったのか。この辺は結構異論が在るかもしれませんが、個人的にはメディアがこの産業が大きな市場になっていることを認識した辺りからブームが起こったと言えるのではないでしょうか。この辺は、浜銀総合研究所などが、03年度の「萌え」関連商品の市場規模を888億円に達した事などをデータとして出しています。言い換えれば、萌えは金になるという事でもあります。まぁ、ブームというのはメディアが盛んに取り上げればなんでもブーム化されてしまうのですが。しかし、この辺りから、一人一人の個人の概念として抱えられていた萌えは、「みんなの萌え」的な存在にすり替わったようにも思います。
本来、萌えは心の中の一つの現象を言葉にしたものでした。当たり前のことですが、萌えには対象となる何かがなければ機能しない言葉です。ですが、それが現在はなぜか萌えという言葉そのものが先行して、それ自体に何らかの意味があるような考え方がなされているように思えてなりません。(これはあくまでも筆者の感覚です)それには、市場化されてしまったという原因もあるでしょう。何れ、あと数年も経てば、萌えという言葉も時代の一つの現象として捉えられ、やがて死語となっていきます。たぶん、そのときには新たな何らかのブームが始まっていると予想されますが、それがどのようなブームなのかは分かりません。

あぁ・・・やっぱりまとまりがない文章になってしまった・・・。