いじめ自殺(4)〜連鎖する自殺とマスメディア〜

文科省がいじめによる自殺予告文を発表し提言を行ってから時間が経った。
だが、新たないじめ自殺予告文が届くなどその後の問題は継続している。
特に文科省の記者会見は非常に印象的であった。
文科省の対応が正しかったのかどうか、という点に関しての論議は別だ。
だが、記者会見後のいじめを苦にした自殺が多発したことも、残念としか云いようがない。
筆者の中で最も印象的だったのは現在在住の県内で自殺があったと云うことだろうか。
マスメディアはこうした自殺報道を自殺者がでる度に取り上げて、センセーショナルに報道した。このことによる、模倣的な自殺が増えたことは否めないだろう。
マスコミの報道を目にして自殺を決意する状況が生まれているのではないか、と考えられる。
ネット社会の安全性云々に関して考えるのも良いが、こうしたことに対しても積極的に対応を取っていく必要がある。
少し話はずれるかもしれないが、見たくないものに出逢わないとは、こういう事に対しても云えるのではないかと思うのである。
実際に、自殺報道がなされた後、さらにまた自殺が連続するという現実を考えれば尚更だ。

今日続いている構図を図化すると、以下のような構図が見られる。


こういった状況を考えると、マスメディアの報道に対しては報道を自粛するなり、規制を加えていく必要性もありえるのではないだろうか。
特に、いじめ、自殺などに関しては、その時の個人の心理状態に深く関わってくることだ。
マスメディアによる報道と自殺の連鎖は根深い。
連鎖を断ち切るための手段を私達は考えなくてはならないだろう。
学校内部のいじめ問題ばかりを考えるのではなく、その報道がもたらす影響にも注意していかなければならない。
今後はこういったものに対しての対策も考えていかなければならないだろう。

参考文献 群発自殺 高橋祥友 中公新書
新書マップ | 本 | 群発自殺 : 流行を防ぎ、模倣を止める